2020-06-05 淡き光の思い出 梅雨の声近し今、 薄暗くなった川辺にほのかな光が瞬く。 ほたるの飛び交う軌跡に光があとを付ける 蒸し暑さが呼び起こす光の乱舞 幼き頃見た同じ風景 兄弟達と虫かごと網を手に行った山間の川 今も鮮やかに甦る思い出 あの日、父は網をそーっと揺らし ほたるを捕まえてくれた 虫かごの中で輝く光に手を叩いた 次の朝、虫かごの中で動かなくなったほたるを見て泣いた 喜んだり、泣いたり、ほろ苦い思い出 昔のような乱舞を見ることは少なくなった この季節ちらちらと観る光に あの日の父を思い出す